ロックマンX(Windows版) (C) CAPCOM 1993 1996 ロックマンXシリーズの第一作目として、スーパーファミコンで発売されたロックマンX。 それをWindowsへ移植したものがゲームバンクから発売となりましたが、実はコレ、カプコンUSAがMS-DOSへ移植したものをWindows対応と日本語化したソフトのようです。 機種、発売日、発売元 / 開発元
Win版の動作環境 【サイバーフロント版】 OS:Windows 95/98/ME/XP CPU:i486 66MHz以上、Pentium推奨 メモリ:8MB以上 ディスプレイ:640×480ドット、256色以上 CDドライブ:インストールで使用 サウンドカード:Windows 95/98対応のPCMサウンドカード ゲームパッド:Windows 95/98/ME/XP対応のゲームパッド Win版の移植度 【プログラム】 違和感あるアルゴリズムや出演のタイミングなど、プレイしてみるとそこそこ違いあり、プログラム部分は目コピーで再現したかのような仕上がりになっています。 操作キャラであるエックスの挙動は頑張って再現していますが、バスターや壁に張り付いた状態でボタンを連打すると、オリジナルとは違った挙動が見られます。 【処理速度】 SFC版と比べてゲーム自体が中途半端にモッサリしており、動きが速いボスが少し弱体化しています。 例を挙げると、きびきび動くシグマ第一形態の動きが鈍くなり、更にバカになったアルゴリズムで泣けるくらい弱くなっています。 ちなみに、オプション設定でSFC版には無い速度変更が追加されているので、一段上げたFASTERが丁度いい感じになりますが、それでも妙なモッサリ感があり、SFC版に近い速度はありません。 速度変更は以下のようになっています。 SLOWEST SLOWER NORMAL(デフォルト) FASTER FASTEST SUPER TURBO 【グラフィック】 ドット絵はSFC版をそのまま使っていますが、描画方式の違いからか、ラスタースクロールによる水中の歪みや引き伸ばしなど、再現できなかった部分は省略されています。 【画面アスペクト比】 SFCは基本256×224と正方形に近い解像度ですが、DOS版は320×200という長方形のような感じになっており、それに合わせる形で表示位置や一部の地形も調整・変更されています。 また、自動で上下にスクロールする場面もあり。 Win版は修正されておらず、全画面表示のみでウインドウモードは無し。 この長方形のような解像度と全画面表示は、スクエア型ディスプレイだと少し縦に引き伸ばされてしまうので、ディスプレイ側で調整するか、ワイド型で映すと丁度良い感じになります。 【サウンド】 サイバーフロント版の説明書はPCMしか書いていませんが、BGMはMIDIによる再現となっています。 音源仕様の違いがありますが、その再現度はあまり良いとは言えず、チープで劣化BGMとなっています。 この劣化BGMは北米でも不評だったようで、有志が差し替え用のBGMファイルを作っており、SFC独特の音源は無理でも再現度は上がっています。 ちなみに、MIDIは作者の意図した音を鳴らすのに同じ環境を用意しますが、対応音源については一切書かれていないので不明。 前述で述べたようにサイバーフロント版は「Windows 95/98対応のPCMサウンドカード」のみで、ゲームバンク版は「DirectXをサポートするサウンドカード」だけしか書かれていないようです。 DOS版の移植元である北米では、DOSゲームの音を鳴らすならCreativeのSound Blasterが必須と言われるほど普及していたようで、これのMIDI機能搭載もしくは、追加できるサウンドカードで鳴らしていたようです。 実際に同メーカーが発売した、MIDI音源サブボードの「Wave BLASTER II」で鳴らしてみると、それっぽい感じで演奏されました(ただし、再現度の低さは変わらずなので期待しないように)。 そして、こういう音源環境が無いユーザーは、Windowsに標準搭載される音源で鳴らすことになりますが、余計に音色がチープでショボい演奏に……(ゼロのBGMでずっこけるはず!)。 Win版の気になったところ オープニングのライト博士からの警告メッセージは、英文に日本語字幕がスクロールで表示されるという出演でしたが、Win版は英文が日本語に差し替えられています。 なので、VAVAが乗るライドアーマーしか出てきません。 アーマー・アルマージのステージで一匹だけ出てくるバットンは、再現されており1UPも落としてくれます。 バーニン・ナウマンダーとランチャー・オクトパルドをブーメランカッターで攻撃すると、鼻や腕を破壊できるギミックがありますが、Win版は再現されていないようです。 波動拳の取得条件が若干変わっているようで、残機もカンストした状態でないとカプセルが出現しないようです(ステージ回数も5回から1回に変更?)。 ちなみに、ゲームパッドによるコマンド入力でソフト側に問題があるのか、波動拳が出にくい感じになっています(キーボードの方は出やすい)。 SFC版ではアームパーツを取らずにシグマステージへ行くと、ゼロからそのパーツが貰えますが、Win版は貰えませんでした。 スタッフロールでDOS版は移植したスタッフになっていますが、Win版はローカライズ担当も含めて全てカット。 何だか寂しいエンディングに……。 ゲーム再開はパスワード式からセーブへ変更。 何かのタイミングで武器選択画面を開くもしくは、何かを選択して決定後にフリーズすることがあります。 その他 MS-DOSへの移植で大幅に劣化し、Windowsでは妙なラグ、まともにPCMが鳴らない、テクスチャの描画がおかしくなるなど、更に劣化してしまった部分もありますが、一応ゲームとしては形になっているので遊べます。 サイバーフロント版は再コンパイルした訳ではなく、パッケージとラベルを変えただけで、ゲーム起動時のメーカー名はゲームバンクのままになっています。 そしてWindows XP対応となっていますが、このOSから実装された互換モードを設定しないと、インストールとゲーム起動ができないという仕様。 このメッセージを見たときは「何だそれ?」っとなったくらいである。 更に説明書には互換モードについての記述は無し!(ユーザーサポートに問い合わせろと?) 先行品のWindows 2000には互換モードが無いので、インストールができないとなっています。 YouTubeでは、海外ユーザーによる比較・検証された動画がアップされています。 地形や敵の配置などの細かい違いが分かりやすく紹介されています。 DOS版は当時カプコンUSAに在籍していた、Stephen Roznerという方が移植したようです。 リードプログラマーだけでなくサウンド担当の1人でもあったそうで……。 「Mega Man DOS」か「Stephen Rozner」で検索すると、氏がどんな移植(?)をやっていたのか知ることができます。 某レビュー動画で既に知っている人もいるかも? GENESIS(日本で言うメガドライブ)が普及していた影響か、北米版はファイティングパッド6Bに似たゲームパッドが同梱していたそうです。 Windowsへ移植されたロックマンXシリーズ 以下は一部の変更を除けば忠実な移植で、上記のようなイレギュラーな移植はありません。 【ロックマンX3】 Win版:1997年 SFCからプレイステーション(PS)へ移植されたものをベースにWindowsへ対応。 PSで追加された主題歌は別の曲へ差し替え。 BGMファイルがディレクトリにそのまま置いてあるので、Media Playerで再生できるなどサントラとして利用可能。 【ロックマンX4】 Win版:1998年 PSからの移植ですが、Win版は主題歌が別の曲に差し替え。 こちらもBGMファイルがMedia Playerなどで再生可能です。 気になるところで、Win版ではシグマ戦のBGMで前半と後半が入れ替わっていますが、BGMファイルは暗号化されていないので、BGM01.SE(前半)とBGM02.SE(後半)のファイル名を変更するとPS/SS版のようになります。 入れ替わった状態では場面にまったく合っていないので、単純に移植ミスだと思います。 【ロックマンX5】 Win版:2002年 同じく、主題歌は別の曲に差し替えにBGMファイルはMedia Playerで再生可能。 【ロックマンX6】 Xシリーズでマゾ向けとして名高いX6ですが、海外でWin版が出ていたらしいです。 【ロックマンX8】 PS2/Win版:2005年 PS2とWindowsの同時発売なので、移植というよりマルチタイトルな感じです。 Win版は高解像度グラフィックに音声・字幕の変更が可能。 どちらも出荷数が少なかったようで、中古でも価格が高かった時期があり。 Windowsへ移植されなかったロックマンXシリーズ 【ロックマンX2】 前作と比べて「難易度が易しくなった」や「バランスが良い」と言われるX2ですが、当時のWindowsには移植されなかったようです。 【ロックマンX7】 あまりにも内容がアレだったのか? カプコンも「これはアカン」と思っていたのか? Windowsには移植されなかったようです。 まぁ、PS2版は値崩れもあれば中古でも直ぐに買えるくらいだったし。 Top |