R-TYPE III(ゲームボーイアドバンス)





(C) IREM 1993

販売:旧アイレム
開発:旧アイレム
スーパーファミコン:1993年

アーケードのR-TYPE IIの続編としてスーパーファミコン(SFC)で発売されたR-TYPE IIIです。
このR-TYPE IIIは「SFCの機能である拡大縮小や回転などを活かした出演」「アイデアが豊富なステージ」「難しいが何度も挑戦したくなる」など、よくプレイしたシューティングの一つでした。



(C) IREM 1993 2003
(C) Raylight 2002 2003

販売:DSI Games
開発:Raylight Studios
ゲームボーイアドバンス:2004年

そのR-TYPE IIIはWiiのバーチャルコンソールで配信(2006~2012年まで)となったりしましたが、その前に海外メーカーがゲームボーイアドバンス(GBA)に移植したソフトが存在します。
静止画面だと忠実な移植に見えますが、実際にプレイしてみると……。



大体の内容

【オプション設定】

キーコンフィグ/サウンドテストが削除されています。
あるのは曲/効果音のNO/OFFとGBA版スタッフロールだけと、どこぞの充実したオプション設定みたいな感じに。

【フォース】

R-TYPE IIIではフォースが3種類になり、それぞれの性能が異なっていました。
サイクロンフォースとシャドウフォースは強力で初心者向け、ラウンドフォースは上級者向けとなっていましたが、後述のザコ/ボスの耐久が変更されているので、ラウンドフォースでも苦労することなく敵を倒せれるようになっています。
R-TYPE IIIはこのフォースの選択で、難易度設定のような感じになっていたが台無しである。

【当たり判定】

当たり判定が大雑把、もしくはいい加減に設定している所もあるのか、初プレイでは地形に触れてもいないのに死亡するという事故が発生します。
SFC版の感覚でギリギリプレイすると高確率で死にます。

【曲/効果音】

曲は1和音か2和音で鳴っているような感じで、面影が残っているかどうかも怪しいくらいぶっ壊れています。
同じくGBAで出たグラディウスジェネレーションとダライアスRの方がマシに思える程である。
酷さ的な意味でライバルを挙げるとしたらメタルマックス2改やKOF EX辺りか?
効果音はPCMで鳴らしているようでSFC版と同じですが、一部削除されたりショットの音が目立つなど調節されていません。

【ザコ/ボス】

敵のザコ/ボスは耐久値が変更されており、一部で弱体化しています。
多くのプレイヤーを葬ったとされるステージ4の幻獣666は、2段階目のフォースでも連射していれば簡単に倒せてしまい、SFC版の最終ステージは敵が硬く、サイクロンフォースやシャドウフォースでも辛いステージであったが、GBA版はラウンドフォースでも簡単に敵を蹴散らせれます(ゲーム自体が簡単になったとは言っていない)。
他には敵のアルゴリズムで一部ヤバイのもあります。

【ゲーム進行のモッサリ感】

次元カタパルト(ステージ1)でスタートからボスが登場するシーンまでの時間を計ると、SFC版は5分くらいでGBA版は9分くらいかかります。
プログラム技術の問題だと思いますが、プレイしてみると全体的にモッサリとしています。

【マザーバイド】

ラスボスであるマザーバイドの最後は、ダメージを与えてからフォースを犠牲にしてENDという流れですが、攻略方法が変更されているので通用しません。
GBA版のマザーバイドは、飛ばしてくる弾をかわした後にショットを撃ち込んで倒すとなっています。
ちなみに、この飛ばしてくる弾でSFC版はバラバラに撒く弾幕みたいな感じでしたが、GBA版は自機狙いで弾を飛ばしてくるという感じに変更されています(初見は確実に死ぬ)。

【2週目】

SFC版ではラスボスを倒してエンディングの後に難易度の上がった2週目が始まりますが、GBA版はタイトル画面に戻されるので2週目は無しとなっています。
こんな移植度で仮に2週目なんてあったら、とんでもないことになっているのも想像に難くない。

【コンティニュー】

コンティニューは削除されており、ゲームオーバーになるとタイトル画面に戻されます。
コンティニュー画面では裏技でステージセレクトができましたが、これはパスワード式に変更。
パスワードはステージをクリアする表示されます。

【その他】

1段階目のフォースがいきなり2段階か3段階になるバグ。
ステージ3のボスであるコースグラブはフォース無しだと詰む可能性があり?
バグって地形の中を走るようになったミサイル。
ハード仕様でSFCと比べてGBAは解像度が低いので、地形が多いステージでは狭いと感じる所がある。
R-9Øの登場シーンやステージ5のボスなどの出演は再現できなかったのか省略(後者はフラッシュのような出演で誤魔化し)。



欧州版と北米版

2種類あるようで、日本で出回っているのは北米版が多いようです(私が持っているのも北米版)。
どっちかがバグが多いらしいですが、確かめる術がないので不明です。

【欧州版(EUR)】

メーカーロゴの後にイギリス、イタリア、フランス、スペイン、ドイツと言語メニューがある。
ステージ4で中盤から流れる炎の塊のグラフィックがSFC版に近い。

【北米版(USA)】

多言語メニューが無い。
ステージ4で中盤から流れる炎の塊のグラフィックが青色。



R-TYPE IIIの皮を被った別な何かで、ビックリするくらいクソ移植 & バグのオンパレードである。
BGMは残念だがゲームは確りと遊べるグラディウスジェネレーション、BGMと難易度も残念だが巨大ボスとの対戦は再現されているダライアスR、そしてこのR-TYPE IIIは良い所なんてあるのか?ってくらい滅茶苦茶な内容。
GBAの横シュー御三家は何か呪われていたのであろうか……?
そしてGBA版をプレイしていると、SFC版が丁寧で確りとした作りであることを再認識されます。

このソフトは海外のみとなっていますが、日本版アドバンス本体でもプレイ可能なので、興味がある方はオークションか通販サイトで探してみてください(自己責任で)。

ちなみに、移植を担当したRaylight Studiosですが、南イタリア(ナポリ)を拠点とするゲームスタジオのようで、一部には知られているGBA版Resident Evil2/バイオハザード2(デモ程度の内容)にも関わっていたそうです。



Top