NEC PC-9801-73




NEC純正サウンドボードのPC-9801-73で、PC-9801-26Kの上位互換になります。
基板が2枚重ねになっています(上の基板を外した画像はこちら)。
FM音源は後に登場するPC-9801-86と同じYM2608搭載で、高性能なサウンドボードとなっていますが、価格が90,000円と高すぎて普及しなかったそうです。
PCM音源でPC-9801-86と違いがありますが、FM音源はDOSゲームや東方旧作だと86音源相当で鳴ります。
しかし、今ではめったに見かけないサウンドボードであり、仮にネットオークションで見つけたとしても高額になるので、これを選ぶことはないでしょう。
ちなみに、このサウンドボードのPC-9801-73ビデオボードのPC-9801-72をセットにした、マルチメディアエンジンセットというPC-9801-76があるみたいですが、価格が228,000円だそうで……。


PC-9801-73とPC-9801-86の違い

【PC-9801-73】

出荷日:91年11月
価格:90,000円
音源:YM2608(FM音源6音、SSG音源3音、リズム音源6音)
PCM:73仕様
入出力:LINE OUT(MAIN & SUB)、LINE IN、HEAD PHONE

DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)搭載で入力信号にコーラスやリバーブなどのエフェクトをかけれるようです(後述)。
ただし、ゲームプレイ中にエフェクトをかけることはできないとなっています。

【PC-9801-86】

出荷日:93年2月
価格:25,000円
音源:YM2608(FM音源6音、SSG音源3音、リズム音源6音)
PCM:86仕様
入出力:MIC IN、LINE IN、LINE OUT、HEAD PHONE

DSPが省かれてDRAMも減るなど、PC-9801-86は廉価版のような感じになっています。
PCM音源はSound IDが違うため、86仕様に作られたソフトはPC-9801-73では鳴らないとなっています。(その逆も)


音源チップ



音源チップのYM2608。


背面側



左からDC-IN、LINE OUT MAIN/SUB、LINE IN、JOYSTICK、HEAD PHONE、VOLUME

DC-INは補助電源ACアダプタ用ですが、通常なら使うことは無いので、アダプタを用意する必要はありません。
NEC純正アダプタはPC-9801-73-ACがあり、これはPC-9801-86やPC-9801-118でも使えるとなっています。
JOYSTICKはATARI仕様なので、MSXのジョイパッドが使えます。


設定



ディップスイッチ


工場出荷時の設定

PC-9821でFM音源が未搭載な場合は、出荷時の設定で大体は音が鳴ります。

設定


ドライバ/ソフト

ドライバ/ソフトは無し。
PC-9800シリーズ対応のWindows 3.1/95にはドライバが含まれているようです。
他には別売りの「N88-日本語BASIC(86) (MS-DOS版)」で、Ver6.1Ver6.2がPC-98GS/PC-9801-73対応となっており、DSPをBASICで制御できるとなっています(後者のバージョンのみ確認)。


動作確認

【MS-DOS 5/6】

靈異伝 OK
封魔録 OK
夢時空 OK
幻想郷 OK
怪綺談 OK


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