SNE MIDI COMPOSER 55PCMZ




このMC55PCMZはFM音源MIDI音源MIDIインターフェースを1枚にまとめたサウンドボードになります。
特徴は26音源で出力が擬似ステレオ、MIDIはGM/GS対応でWindowsでも使えるボードのようです。

基板の型番:MC-55PCMZ E301-0317-002


パッケージから概要を抜群

MC-55PCMZは、ローランドのMPU-PC98IIとコンパチブルなMIDIインターフェースに、GM/GS対応のHiクオリティなPCM音源とFM音源を搭載していますので、MIDIのGM/GS対応のソフトや、NEC純正のFM音源PC-9801-86/26K対応のソフトのサウンドを、簡単にHiFi音で楽しむ事が出来るようになっています。
また、外部に別の音源を接続して、異なる音色を楽しんだりするといった、マニアックな使用にも耐えるようになっていますので、マルチメディア時代の標準音源として末永く楽しむ事が出来ます。


仕様

【対応機種】

PC-9800/EPSON PCシリーズ対応

【FM音源】

26音源で出力はステレオ(疑似ステレオ)
PC-9800のFM/PCM音源とぶつからないように切り離し機能搭載

86音源のソフトも楽しめるみたいなことが書かれていますが、ただ26音源 & 疑似ステレオで鳴るだけです。

【MIDI音源】

GM/GS音源で音色数はSC-55mkII(354音色)より多い393音色
楽器225音色、ドラム120音色、エフェクト48音色
同時発音数24
演奏数16パート
ドラムセット10セット(1SFXセット及びCM-64/MT-32セット含む)

【コンパチビリティ】

GM完全対応128音色
GS対応でSC-55mkII、GPPC-NA、SCC-1Aコンパチ354音色
リバーブ、コーラス・エフェクトは非搭載

特許・コスト・技術的な問題でもあったのか、エフェクト非搭載と完全互換ではないようです。


音源チップ



FM音源チップはYMF264で26音源相当。



MIDIで使われているチップはDREAM SAM9203で、これはフランスのdream製だそうです。
このメーカーのチップはMIDI音源サブボードでも見かけます。


背面側



左からMIDI IN/OUT/THRU、LINE OUT、JOY1/2、I/O切り離しSW

このボードは実装すると少し飛び出た感じになります。

【MIDI IN/OUT/THRU】

MPU-401互換のMIDIインターフェースを搭載していますが、色々と詰め込み過ぎたのか端子がmini DINになっています。
これを使用するには、mini DIN5pin(オス) ⇔ DIN5pin(メス)の変換ケーブルが必要になります。
この変換ケーブルは付属していないので、X68000のCZ-6BM1やSX-68M-2に付属しているものを流用するか、ネットオークションでは自作ケーブルが出品されることもあります。

【LINE OUT】

LINE OUTは出力が疑似ステレオ。

【JOY1/2】

JOYSTICKはATARI仕様でMSXのジョイパッドが使えます。

【I/O】

I/O切り離しSWの設定はこちら


ジャンパーピン



【I/Oボード設定】

JP2

工場出荷時の設定

0188 0088
@ 抜き 挿入

FM音源部のI/Oポートアドレス

E0D0
E0D2
E4D0
E4D2
E8D0
E8D2
ECD0
ECD2
F0D0
F0D2
F4D0
F4D2
F8D0
F8D2
FCD0
FCD2
A 抜き 挿入 抜き 挿入 抜き 挿入 抜き 挿入
B 抜き 抜き 挿入 挿入 抜き 抜き 挿入 挿入
C 抜き 抜き 抜き 抜き 挿入 挿入 挿入 挿入

MIDIインターフェイス部のI/Oポートアドレス

通常は工場出荷時で設定。
他の拡張機器とI/Oポートが重なる場合は設定を変更。

【割り込み設定】

JP1 JP3 JP4 JP5 JP6
工場出荷時の設定

FM音源割り込み=INT5 FM音源割り込み=INT0
MIDI部割り込み FM音源部割り込み MIDI部割り込み
割り込み INT0 INT1 INT2 INT5 INT0 INT1 INT2 INT5
JP1 1-2 1-2 1-2 1-2 2-3 2-3 2-3 2-3
JP3 2-3 2-3 2-3 2-3 抜き 抜き 抜き 1-2
JP4 1-2 抜き 抜き 抜き 2-3 2-3 2-3 2-3
JP5 抜き 挿入 抜き 抜き 抜き 挿入 抜き 抜き
JP6 抜き 抜き 挿入 挿入 挿入 抜き 挿入 抜き

通常は工場出荷時で設定。
他の拡張機器と割り込みが重なる場合は設定を変更。
FM音源部とMIDI部の割り込みは同じ設定にできません。

【コンピュータクロックの設定】

JP7

工場出荷時の設定

ピン PC-9800 EPSON PC
JP7 1-2 2-3

互換機EPSON PCで、クロック周波数が10MHz超える機種は2-3に設定。

微妙に設定が面倒に見えるサウンドボードですが、基本的に工場出荷時で設定でOKです。


ドライバ

ドライバ/ソフトは無し。
RolandのMPU-PC98IIの上位コンパチブルとのことで、Windowsで使用するにはMPU-PC98IIかMPU-401のドライバを使います。
東方旧作の音(FM/MIDI)をMS-DOSで鳴らすならドライバは不要です。


ソフト

対応ソフトは今のところ確認されていません。
他に気になるところで、このボード用にMIDIを作成したユーザーはどれだけいたのか?など。
SC-55mkIIより音色数が多いのは一見すると魅力に感じますが、互換性を意識すると追加された音色は下手に使えなかったのでは?と思ったり。
これは、独自にFM音源を拡張した同社のSOUND ORCHESTRAと似ているところである。


封魔録

忠実ではありませんが、それっぽい感じに封魔録のMIDIが演奏され、同時にFM音源で効果音も鳴ったりと、ちょっと便利なサウンドボードとなっています。
他には、前述で述べた変換ケーブルが必要になりますが、SC-88と接続して使うというのもあります。


動作確認

【MS-DOS 6】

靈異伝 OK
封魔録 OK
夢時空 OK
幻想郷 OK
怪綺談 OK


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