SNE SOUND ORCHESTRA
SNE(エス・エヌ・イーまたはシスネット)が発売した26音源ボードのSOUND ORCHESTRA(サウンドオーケストラ)です。
姉妹品としてLITTLE ORCHESTRAシリーズがあります。
基本仕様はPC-9801-26Kコンパチブルで、以下の独自機能が追加されています。
基板の型番:E401=0201=001 SOUND ORCHESTRA BY SNE
仕様
【FM音源の出力】
NECのPC-9801-26Kはモノラルですが、このSOUND ORCHESTRAは音源パートを左右に振り分けて曲を演奏させる疑似ステレオとなっており、右からFM音源/左からSSG音源と音が出力されます。
これは市販のDOSゲームや東方旧作でも少し変わった曲を体験することができますが、モノラルで作られた曲を単純に分けて演奏させるだけなので、人によっては聞こえ方に違和感を感じるかもしれません。
また、SNEは「ステレオ」と謳っていますが、厳密には「疑似ステレオ」となります。
※マニュアルは左がYM2203(FM音源)となっていますが、これは間違いのようです。
【音源】
音源チップはYM2203とYM3812の2個搭載と拡張されていますが、ソフトが対応していなかったら通常の26音源ボードとなります。
YM2203のみはFM音源3音/SSG音源3音ですが、追加されたYM3812も含めるとFM音源12音/SSG音源3音/リズム5音となっているようです。
この拡張された音源で曲を作るには、ユーザーがソフトを自作する必要があります。
【対応機種】
NEC PC-9801シリーズ
音源チップ
音源チップのYM2203とYM3812。
背面側
左からJOYSTICK×2、RCA出力、ミニジャック出力、音量調整(内部スピーカー用)
JOYSTICKはATARI仕様なのでMSXのジョイパッドが使えます。
RCA出力はモノラル、ミニジャック出力が擬似ステレオになっています。
ジャンパーピン
@ROMスイッチ(JP1)
工場出荷時の設定
6番ピン外し → YM3812切り離し & YM3812用のBIOS使用不可。
2番ピンを5番へ → YM2203切り離し。
A割り込み設定スイッチ(SW3-1/3-2)
INT5 工場出荷時の設定
INT0
INT4
INT6
BI/Oポートスイッチ(JP2)
0188H/018AH/018CH/018EH 工場出荷時の設定
0088H/008AH
ドライバ/ソフト
ドライバ/ソフトは無し。
同社から譜面入力式音楽ソフトや音楽ユーティリティソフトなど発売されていました。
ゲームソフト
アスキーが出版した「蘇るPC-9801伝説 永久保存版 第2弾」によると、ウルフ・チームの斬 〜陽炎の時代〜、日本テレネットの夢幻戦士ヴァリスII(隠し対応)が、このSOUND ORCHESTRAに対応しているそうです。
斬を聴いてみた個人的な感想は、標準音源に控えめに音が追加された感じで、豪華や派手といったアレンジは期待はしない方がいいでしょう。
ちなみに斬はII、IIIと新作が出ていますが、こちらは対応から外されたようです。
ところで、ウルフ・チームは日本テレネット社内の開発チームですが、斬は独立していた時期に開発・販売されたので、一応2社から対応ソフトが出たことになります。
※Intel 486搭載機種でYM2203は問題ありませんでしたが、どうもYM3812がまともに鳴らないようなので、クロック周波数を下げれる機種は8〜10MHz相当にしてみてください。
SOUND ORCHESTRAシリーズ
SOUND ORCHESTRA
SOUND ORCHESTRA L
SOUND ORCHESTRA V
SOUND ORCHESTRA VS
SOUND ORCHESTRA LS
SOUND ORCHESTRA MATE
このシリーズは26音源に更に音源を加えたサウンドボードですが、対応ソフトが殆ど無い辺りソフトハウスは乗ってこなかったようです。
動作確認
【MS-DOS 3.3/5/6】
靈異伝 OK
封魔録 OK
夢時空 OK
幻想郷 OK
怪綺談 OK