SNE JOY BOARD-98
SNEが開発・発売したジョイスティックインターフェースボードのJOY BOARD-98(以下:JB-98)です。
ATARI仕様ジョイスティックに対応しているDOSゲーム用で、音源チップのYM2203/YM2608のジョイスティック機能だけを再現した拡張ボードとなっています。
つまり、PC-9800にYM2203やYM2608が搭載されていなくても、このJB-98単体で操作できる(使える)となります。
使い方は、JB-98のジャンパーピンでI/Oアドレスを変更するだけなので、ドライバやユーティリティなどのソフトはありません。
他には、システムサコムのSAJ-98やコンピュータ・テクニカのゲームポート98など、似た機能を持つ拡張ボードが出ています。
基板の型番:ANALOG JOYSTICK I/F BOARD REV 1.0 S.N.E.
対応機種
NEC PC-9801/FELLOW/MATEシリーズ
EPSON PC-286/386/486シリーズ
対応ジョイスティック
シャープのサイバースティック:CZ-8NJ2
電波新聞社のサイバースティック:XE-1AJ
電波新聞社のアナログジョイパッド:XE-1AP
MSX対応のジョイスティック/ジョイパッド
パッケージから特徴を抜粋
1.FM音源対応のソフトそのままで使えますので、JB-98対応のソフトはたくさん有ります。
2.システムサコムのアナログJOYボードSAJ-98ボード対応のソフトでも使えます。
3.PC-9801DA/FA/9821MATE等の音源内蔵タイプにはJOYポートが有りませんので、JB-98が最適です。
背面側
左からPORT-2、PORT-1、PORT-1 OFF/ONスイッチ
【PORT-1(FM音源モード)】
PORT-1がメインとなりますが、使用する場合はPORT-1 OFF/ONスイッチをON、使用しない場合はOFFと設定します。
ジョイスティック/ジョイパッドはMSX用を使用します。
【PORT-2(SAJ-98モード)】
PORT-2はSAJ-98ボード対応のソフト用となっているようです。
ジャンパーピン
@JP-1(PORT-1の使用)
ジャンパーの位置 | I/Oアドレス |
1 | 0188H〜018AH |
2 | 0288H〜028AH |
工場出荷時の設定は「1」の0188H〜018AH
「FM音源ボードとの使用は出来ません」となっていますが、後述の検証からして一部は使用できるようです。
PC-9800とソフトの組み合わせで動作状態が変わるということで、動作表を参照してPC-9800のサウンド機能とJB-98の設定を変えて、使用できるか順次確認するとなります。
※動作表
AJP-2(PORT-2の使用)
ジャンパーの位置 | I/Oアドレス |
1 | E7E0〜E7E7 |
2 | E5E0〜E5E7 |
3 | E3E0〜E3E7 |
工場出荷時の設定は「1」のE7E0〜E7E7
他の拡張ボードとI/Oアドレスが同じで動作しない場合は、ジャンパーの位置を変更。
BJP-3
ジャンパーの位置 | 機能 |
1 | FM音源を内蔵した機種 |
2 | FM音源を内蔵していない機種 |
東方旧作での使用
ATARI仕様ジョイスティックに対応している東方旧作(夢時空/幻想郷/怪綺談)で、使えるかどうかの検証です。
検証はサウンドボードの組み合わせがメインとなります。
【東方旧作のI/Oアドレス】
東方旧作のジョイスティックは0188Hで動き、0288Hは動かないとなります。
このことからJB-98の設定は、JP-1を「1」の0188H〜018AHにします。
SOUND ORCHESTRA Lの組み合わせ
【PC-9800/EPSON PCの設定】
サウンド機能を「使用しない」に設定。
【SOUND ORCHESTRA Lの設定】
SOUND ORCHESTRA Lは、YM2203搭載でATARI仕様ジョイスティックポート無しのサウンドボードです。
I/Oポートを0188H/018AHから0088H/008AHへ変更。
【JB-98の設定】
JP-1:1
JP-2:1
JP-3:2
【動作状態】
サウンド:OK
ジョイスティック:OK
Wave SMIT/Wave Starの組み合わせ
【PC-9800/EPSON PCの設定】
サウンド機能を「使用しない」に設定。
【Wave SMIT/Wave Starの設定】
Wave SMITまたはWave Starは、YMF288搭載でATARI仕様ジョイスティックポート無しのサウンドボードです。
FM音源のI/Oアドレスを0188から0288へ変更。
【JB-98の設定】
JP-1:1
JP-2:1
JP-3:2
【動作状態】
サウンド:OK
ジョイスティック:OK
Sound Blaster 16 for PC-9800シリーズの組み合わせ
【PC-9800/EPSON PCの設定】
サウンド機能を「使用しない」に設定。
【Sound Blaster 16 for PC-9800シリーズの設定】
Sound Blaster 16 for PC-9800シリーズは、YM2203搭載可能でATARI仕様ジョイスティックポート無しのサウンドボードです。
YM2203 I/Oアドレスを0188Hから0088Hへ変更。
【JB-98の設定】
JP-1:1
JP-2:1
JP-3:2
【動作状態】
サウンド:OK
ジョイスティック:OK
PC-9801-118の組み合わせ(PnPモード)
【PC-9800の設定】
PC-9800のサウンド機能を「使用しない」に設定。
【PC-9801-118の設定】
PC-9801-118は、YMF297搭載でATARI仕様ジョイスティックポート無しのサウンドボードです。
PnPモードに設定。
【JB-98の設定】
JP-1:1
JP-2:1
JP-3:2
【動作状態】
サウンド:NG
ジョイスティック:OK
PC-9801-118の組み合わせ(非PnPモード)
【PC-9800の設定】
PC-9800のサウンド機能を「使用しない」に設定。
【PC-9801-118の設定】
非PnPモードに設定。
【JB-98の設定】
JP-1:1
JP-2:1
JP-3:2
【動作状態】
サウンド:OK
ジョイスティック:NG
PC-9801-118とJB-98の0188Hが重なってNG?
公式の設定でいくと、PnPモードはDOSゲームの音が鳴らず、非PnPモードのI/Oアドレスは0188HでジョイスティックはNGになるようです。
BUFFALOのサウンドボードの組み合わせ
【PC-9800/EPSON PCの設定】
サウンド機能を「使用しない」に設定。
【BUFFALOのサウンドボード】
WSN-A2F/WSN-A4F、SRN-F、SXM-Fは、YMF288搭載でATARI仕様ジョイスティックポート無しのサウンドボードです。
【JB-98の設定】
JP-1:1
JP-2:1
JP-3:2
【動作状態】
サウンド:NG?
ジョイスティック:OK
始めはサウンドが正常に鳴っているように聞こえますが、プレイしていくと「ピィーーー!」とやかましい音になってしまいます。
内蔵音源の組み合わせ
【PC-486の設定】
26音源相当を搭載した機種です。
サウンド機能を「使用する」に設定。
【JB-98の設定】
JP-1:1
JP-2:1
JP-3:1
【動作状態】
サウンド:OK
ジョイスティック:NG
PC-486とJB-98の0188Hが重なってNG?
98MATE Aや98MULTi CanBeでも同じ結果になりそうです。
JB-98のみ
【PC-9800/EPSON PCの設定】
サウンド機能を「使用しない」に設定。
【JB-98の設定】
JP-1:1
JP-2:1
JP-3:2
【動作状態】
ジョイスティック:OK
その他
ゲームソフトがI/Oアドレス0288Hに対応していれば、98MATE AなどでFM音源を鳴らしながらJB-98でジョイスティック操作ができるとなります。
このJB-98を開発したSNEもマニュアルで、「全てのソフトがI/Oアドレス0288Hに対応する仕様になる事を提案します」と書いています。